インターネット経由でリモートデスクトップをする設定方法
リモートデスクトップとは
リモートデスクトップとは、あるパソコンをもう1台の別のパソコンから遠隔操作する技術です。これにより、外出先でもオフィスのパソコンを直接操作できるため、非常に能率的な作業が可能です。
リモートデスクトップのメリット
現代ではパソコンを外出先に携帯することも珍しくありません。常に使用するパソコンが1台で、それを常に持ち歩くのであればリモートデスクトップは特に必要のない機能だと思います。しかし、キーボードとマウスを使用し、大きなディスプレイで作業をする必要があるのであれば、やっぱりデスクトップパソコンのほうが能率的です。
しかし、デスクトップパソコンは外に持ち歩けません。そこで携帯に便利なノートパソコンを別途用意して持ち歩くことになりますが、もしもリモートデスクトップを活用しないのであれば、外出先でも必要なソフトやデータは持ちだすノートパソコンにも入れておく必要が生まれます。
しかし、リモートデスクトップの機能を活用すれば、実質的に動いているパソコンはオフィスのデスクトップパソコンです。これならソフトやデータを別途用意する必要がなく、オフィスのデスクトップパソコンだけに入れておけば用が済むことが多いのです。
リモートデスクトップを活用すれば
- ソフトやデータは親パソコン(操作される側のパソコン)のみに入れておけばOK
- 操作する側のパソコンはインターネットにつながれば性能は低くても大丈夫
※処理は親パソコン側で行われるので、そちらが高性能であれば快適です - データを複数のパソコンに分けて保存する必要はありません
常に1台のパソコン内のデータを参照するわけですから、最新データがどれなのかわからなくなってしまうという心配も無用です。
他にもたくさんのメリットを享受できると思いますが、注意しておきたいこともあります。
- インターネットに接続できなければ、何もできなくなる恐れがある
携帯するノートパソコンをリモートデスクトップ専用に使っている場合、保存しているファイルも無ければ必要ソフトも入れてないことも。そうなってしまうと何もできない状態になってしまいます。 - インターネットの回線速度が遅ければ、動作が遅くなる
インターネット回線を通しての作業ですから当然です。快適に使うためには一定の回線速度が必要です。
要するに、インターネット接続が安定して確立されていて初めて成り立つ仕組みです。インターネット環境をいかに確保できるかが、トラブルのない活用方法につながります。
リモートデスクトップに必要な条件と設定
まずは必要な条件や、設定される項目を列挙しておきます。以下のどの条件が満たされなくてもリモートデスクトップは使えません。
- 親パソコンとリモートデスクトップを実行するパソコンの両方がインターネット接続されていること
- 親パソコンのOSがリモートデスクトップに対応していること
Windows XP Proffesional、Windows Vista Business以上、Windows 7 Proffesional のみとなっています。
操作する側のOSはほとんどのXP以降のWindowsであればOKです。 - 親パソコンがリモートデスクトップで接続されることを許可する設定であること
- 親パソコンのローカルIPアドレスが固定されていること。
- 親パソコンが接続されているルーターのポートの設定がされてあること
- 親パソコンのグローバルIPアドレスが固定されていること。もしくはそれを知る方法があること
※固定されていなくても、常に現在のIPアドレスを知る方法は後ほど説明します。
親パソコンとリモートデスクトップを実行するパソコンの両方がインターネット接続されていること
どちらのインターネット回線も比較的高速なものが望ましいです。
親パソコンのOSがリモートデスクトップに対応していること
親パソコン(操作される側のパソコン)のOSのエディションに気を付けましょう。
親パソコンがリモートデスクトップで接続されることを許可する設定であること
「リモートデスクトップ」において「リモート デスクトップを実行しているコンピューターからの接続を許可する(セキュリティのレベルは低くなります)」にチェックを入れる
IPアドレスとルーターの設定について
続いてIPアドレスとルーターの設定方法の説明をしていきますが、まずこちらの設定をする上での全体像を理解しておくと、それぞれの設定の意味が分かるため、スムーズな設定が可能になります。
上記の全体像を踏まえつつ、以下の設定をしていきましょう。
親パソコンのローカルIPアドレスが固定されていること。
ローカルIPアドレスというのは、ビジネスフォンなどで例えると「内線番号」に当たります(192.168.0.●)。この内線番号は初期設定では一定しておらず、PCを再起動したり、ルーターの電源を切ったりするタイミングで都度自動的に割り振られてしまいます。
ルーターの設定においては、固定の「192.168.0.●」に接続するという設定ですから、この番号が変わってしまっている場合は当然接続されません。その為、親パソコンのローカルIPアドレスを固定しておく必要があります。
「デフォルトゲートウェイ」というのは、外部のネットワーク(インターネット)に接続する際に出入口となる機器の事です。多くの場合は「ルーター」です。つまりルーターに割り振られているIPアドレスであると言えます。こちらは一定しています。
現在のローカルIPアドレスや、デフォルトゲートウェイを知る方法は?
コマンドプロンプトを使用する方法が簡単です。Windows7では、スタートボタンを押し、プログラムとファイルの検索の窓に「cmd」と入力をしてエンターを押すと以下の画面が表示されます。
「ipconfig」を入力してエンターを押す
上記の通り表示されますので、こちらを参考に先ほどの固定の設定を行います。
親パソコンが接続されているルーターのポートの設定がされてあること
こちらの設定はルーターやインターネット回線の種類により異なりますので、お使いのルーターの取扱説明書を確認するなどの必要があります。
「ルーター名(メーカー・型番) ポート 開放」などのキーワードで検索してみるのも良いと思います。ここでは例としてAterm WARPSTAR を紹介します。
インターネットブラウザを立ち上げ、アドレスバーに「http://web.setup/」と入力するか「192.168.0.1」や「192.168.1.1」と入力し、ユーザー名に「admin」、パスワードは設定したものを入力してアクセスします。これにより使用中のルーターの設定を変更できるメニューに移動することが出来ます。
詳細設定 > ポートマッピング設定 と進みます。
LAN側ホストを先ほど固定したローカルIPアドレスを入力「192.168.0.●」、プロトコルは「TCP」を選択、ポート番号は「3389」を設定。
繰り返しになりますが、こちらの設定はルーターによって異なりますが、詳細設定→高度な設定や、ポートマッピング設定→ポート設定、のように類似した呼ばれ方をしてるはずです。
親パソコンのグローバルIPアドレスが固定されていること。
もしくはそれを知る方法があること
グローバルIPアドレスの固定は、ローカルIPアドレスの固定とは異なり、パソコンの設定だけでは不可能です。こちらを実行するためには、契約中の各プロバイダと別途契約(月数千円)の必要があります。それをしなければ、ローカルIPアドレスと同様に定期的に変更されてしまいます。
別途契約で固定する方法を選択しない場合は、最新のグローバルIPアドレスを知っておく必要があります。それには以下の2つの方法があります。
その1:外出前に都度グローバルIPアドレスを確認しておく
インターネット検索で、「グローバルIPアドレス 確認」と調べると、自分のパソコンのグローバルIPアドレスを確認することが出来るサイトはたくさん見つかります。例えば:http://www.akakagemaru.info/cgi-bin/index.cgi
こちら以外にもたくさんありますので、お気に入りなどに入れておくと手早く確認することが出来ます。
ここで調べたグローバルIPアドレスをメモするなどして、外出先でリモートデスクトップを実行する際に使用します。
しかし、この方法は落とし穴があります。最近ではグローバルIPアドレスが頻繁に変更されることは少なくなりましたので、問題なく接続される事が多いのですが、それでもやはり時折変更されてしまいます。そうするともはや手元にあるグローバルIPアドレスは使い物にならなくなってしまいます。
その2:外出先でも最新のグローバルIPアドレスを知る方法
この方法を実行するために便利なのが、Google社の提供するGmailです。
※もちろん利用するにはGmail(無料)のアカウントを取得しておく必要があります。
Gmailにログインをし、メールの画面を開きます。
普段は目立たない、画面の右下に注目します。
こちらの「アカウント アクティビティの詳細」をクリックするとポップアップで以下の画面が表示されます。
こちらは、現在自分のGmailにログインしているパソコンのIPアドレスが表示される機能です。上から順番に最近のものが表示されます。
つまり、親パソコンでインターネットブラウザを開いてGmailにログインをしている状態であれば、親パソコンの現在のグローバルIPアドレスをリアルタイムで知ることが出来るという事です。
ちなみに、もしも複数箇所で同時にログインしていれば当然複数のIPアドレスが表示されます。その場合は上から順番にいくつか試してみると正しいIPアドレスにヒットするはずです。
もちろんですが、親パソコンがGmailにログインしていなければ、知らない間にグローバルIPアドレスが変わってしまっている事もあるかもしれません。そうなると接続はできません。忘れてしまわないように、常にGmailを開いている状態を作っておくか、スタートアッププログラムにGmailを加えておく(パソコン起動時にGmailが立ち上がる)などの工夫をしておくと良いでしょう。
以上の準備が整えば、いよいよリモートデスクトップ接続が出来ます。
リモートデスクトップに接続する
すべてのプログラム > アクセサリー > リモートデスクトップ接続 と進みます。
グローバルIPアドレスを入力し、接続をクリック。ユーザー名とパスワードを求められたら親パソコンのログイン情報を入力すると無事接続完了です。
大変判り易いご説明で、助かりました。
最後の一文、「グローバルIPアドレスと入力し」は、「グローバルIPアドレスを入力し」の間違いですね。
結構重要な間違いだと思いますので、訂正されたほうが宜しいかと。
訂正しました。ご指摘ありがとうございました♪
非常に参考になる情報ですごくわかりやすかったです。
この記事を公開していただき、感謝しております!
とても簡潔な説明でわかりやすかったです。
ありがとうございます!
とても参考になりました。
スマホ→Windowsへのリモートデスクトップの情報を探して辿り着いたのですが
探していた情報(外出先からルーター経由で接続する方法)がここにあって助かりました。
リモートデスクトップを解説したサイトは多々ありましたが
どれもLAN内から接続する方法ばかりでいまいち参考にならずに困っていたところです。