在宅勤務で集中できない人が見直したい3つのポイント
実は私は在宅勤務10年目の在宅勤務のプロです。
新型コロナウイルスの影響でリモートワークを導入する企業が増えていますが、弊社は10年前の創業当時からリモートワークのみというスタイルでした。
もちろん新型コロナウイルスのことを予見していたわけではないですが、いずれはもっと在宅勤務の比重が増えるだろうとは予想してました。
しかしこの10年間、周囲でリモートワークが増えている様子も特になかったので、こういうスタイルが浸透するのはもっと時間がかるのだろうかと思っていたところ、これが一気に加速することになりました。
在宅勤務のアドバイスを求められる機会が増加
冒頭で述べた通り、私は在宅勤務履歴10年です。
過去10年間の中でお付き合いのあった企業様はその事をご存知です。それでその企業様もこのコロナ禍でリモートワークを導入する事となりました。
この企業様はIT企業で元々災害時などにも変わらず対応できるよう、定期的な在宅勤務の訓練をしていました。
その成果もあって比較的スムーズな導入が果たせたのですが、訓練といっても数ヶ月に1回程度のものなので、常時在宅勤務とは勝手が違います。
在宅勤務の期間が長くなるにつれ、アドバイスを求められる機会が増加して来ました。
相談の多いランキングTOP3とその解決策
1.仕事に集中できない
家庭環境によってもかなり違うと思いますが、ほとんどの方がこの問題に直面するようです。
解決策:仕事に集中できる環境作り
こんなことは当たり前で、何の解決策でもないと思った方が大半だと思いますが、実際に私が相談を受けた方に聞いたところ、言われてみれば「集中できる環境作り」をしていなかったと回答しています。
現代の、特にIT企業の方の業務内容の多くはPCさえあれば成り立ちます。
そのため、言ってしまえば自宅にPCを持って帰っただけで仕事をしているという感じなのです。
- 会社:仕事に適した環境
- 自宅:生活に適した環境
これが完璧に出来ているかという評価はさておき、本来はこうあるべきですので、こうなるように配慮されているはずです。
この事をあまり深く認識せず、PCで作業ができる場所を確保しただけだと十分とは言えません。
では具体的に何をすれば良いかというと、これは実際に私が実践しており、かつ効果的だったと評価を受けたものを述べます。
1.仕事専用のデスクを用意する
元の状態からこれは難しいという意見もあったりしますが、これはやらなければならない事です。
今日1日だけ在宅勤務であれば、普段食事をとっている食卓を一時的に使用するなどの一時凌ぎでも良いと思います。
しかし、中長期的なスパンで在宅勤務をすることが想定されるなら、これは必ずやるべきです。
2.仕事用の照明を用意する
- 仕事中:昼光色(青みがかった光で、オフィスに使用される)
- 業務終了後:電球色(暖色系でリラックスしたい場所に使用される)
私の場合、仕事している場所には照明器具が2つありまして、それぞれの照明のON/OFFで業務中/業務終了を切り替えています。
間取り等の問題でどうしても仕事専用デスクを用意できない場合でも、これならできると思います。天井についている照明器具をどちらかにして、デスクの上にもう一方のものを置くなどです。
大した事を言っていないように見えるかもしれませんが、私の中でこれの効果は絶大だと感じでいます。何かしらの事情で他の対策ができない場合でも、これだけは絶対にお勧めするというくらいです。
3.仕事場と寝室は完全に分ける
これも間取りによって難しいという声が聞こえて来そうですが、大事なのは「分けているという意識」なのです。
私の場合は寝室は別室なので、ドアを閉めておくでこれは事足りるのですが、ワンルームマンションなどでこれが難しいという場合もあるかと思います。
その場合、仕事エリアとベッドの間にパーテーションを置くだけでも大丈夫です。
それも難しい場合、仕事中はベッドの上に「使用禁止」と書いた紙を1枚置くだけでも全然違うはずです。
これは10年以上前の話なのですが、私が起業する前、フリーランスのような感じで自宅で仕事を始めた際、ベッドでPCを触っていたような時がありました。当然これは非常にダメな事です。その時の反省から得た教訓ですので、これもまず間違いはない対策です。
繰り返しになりますが、大事なのは「分けているという意識」なのです。
4.身だしなみを整える
意図は何となく分かると思うのですが、どれほどのレベルが必要かというと、私の表現だと「外出して人に会っても恥ずかしくない格好」と定義します。
リラックスできる格好はOKですが、パジャマはNGです。
そうすると、寝る時はTシャツにスウェットなので、その格好だとダメって事ですよね?と聞かれますが、私はこれでもOKだと考えています。
ただしこの場合は「Tシャツとスウェット」のセットを、仕事用のものと寝る時専用のものとで分ける必要があると考えています。
これも先ほど同様に、大事なのは「分けているという意識」だという考えです。
それから寝癖はNGです。完璧なセットまではしなくても、「外出して人に会っても恥ずかしくない格好」のレベルは厳守です。
ちなみに私は絶対に外出しないと分かっている日でも、整髪料でセットをした上で、香水も控え目で使用します。
なお、女性の場合は化粧をどうするかという考えも出てくると思います。私は男性なので勝手にスッピンでOKだと思っていますが、これらのことを踏まえてメイクは必要だという選択をするのは個人の自由だと考えます。
「1.仕事に集中できない」の解決策はひとまず以上です。
2.仕事の終わり時間を決められない
続けて2番目に相談が多いのがこれです。
会社だと業務終了を告げる何か(就業のチャイム、上司からの通知…etc)があったりもしますが、自宅だとこの判断は自分自身に委ねられるケースもあります。
仮に本日の業務は終了ということが何かしらの手段で通知されるようなことがあったとしても、仕事を続けてやろうと思えばやれてしまう環境でもあります。
特に業務内容が日毎に完結するものではなく、数日から数ヶ月に渡って継続的なものの場合は尚更です。
解決策:業務終了のマイルールの制定
会社からの厳密なルールがあり、それ通りに仕事を終えられるという方の場合は不要かもしれませんが、先ほど述べたように、自身の判断に委ねられる場合はこれが必要となります。
1.定時で終了
まず前提として、その会社での業務が定時から大きくかけ離れない範囲で終えられるものであることとします。
どうやっても夜中までかかってしまうとか、休日も使わないと終えられないようなブラックな業務は含みません。
話がそれましたが、ここでは「まともな業務」であるにも関わらず、ついつい定時を超えて仕事をしてしまうなどの場合の解決策を述べています。
それで定時というのは通常は会社で既定のものがあります。それをつい超えてしまう場合がある場合、「会社の定時+●●分を上限とする」などのように定めるのです。
そしてその時間が来れば絶対に手を止めて、続きは翌日以降に行うというルールとするのです。
ちなみに私(弊社)の業務時間は下記の通りです。
始業時間:10:00
昼休憩:11:45〜13:00
終業時間(定時):17:00
マイルールの就業時間:定時+60分=18:00
2.業務の進捗状況で終了
これは「定時で終了する」とは真逆の考え方です。時間に関係なく、現在取り掛かっている業務で「今日はここまでやったら終わりにする」というルールとすることです。
3.「1」と「2」の方法を組み合わせ
既に2つの方法を述べましたが、この2つを組み合わせるのが最も実用的だと考えております。
毎日の業務が完全にルーティーン化されたものでない限り、業務を終了できる時間は日毎に前後してしまう事が通常です。
今日は「定時で終了」ができたとしても、明日はそれだと業務の履行が不十分になってしまう事もあり得ます。
そうならないよう、その都度ルールを使い分けるのです。
そしてこのルールを守るという意識がしっかりできているなら、このルールはそろそろ当日の業務を終了しようかと考えている直前で変更しても良いと思っています。
つまりどういう事かというと、「今日はここまでやったら終わりにする」というルールで仕事をしていたけど、どうやらそれをやっているとマイルールの18:00は超えてしまいそうだという場合、18:00で終了というルールの方を適用するという事です。
こうする事が中途半端で気持ち悪いと感じてしまう場合は、本日既に終えた部分を本日のゴールとし、今途中まで進めていた部分は「明日の前倒しができた」と考えるなどとすれば良いと思います。
3.仕事とプライベートにメリハリがつけられない
元々これが苦手な人だと、在宅勤務となると余計に難しく感じるようです。
解決策:業務終了の儀式を行う
儀式というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際にやっていることはたわいもない事です。
1.PCの電源を切る
これの意図は分かりやすいところだと思いますのでそこまで説明は要らないと思いますが、これをしない、できない人が多いようなので意識的にする事をお勧めします。
ちなみに私の場合は業務終了後のプライベートタイムでもPCを利用したいので、PCの電源は落とさずに、業務に関するアプリを閉じて開かないようにというのを心掛けています。(メーラー、ChatWork、Photoshop…etc)
2.照明を切り替える
先の仕事に集中するための方法として説明した「2.仕事用の照明を用意する」の内容でも理解できると思いますが、仕事が終わったのでOFFモードに切り替えるという事です。
3.着替える
これも先の仕事に集中するための方法として説明した「身だしなみを整える」の逆の行為です。
仕事に集中するために「外出して人に会っても恥ずかしくない格好」をしましたが、今度は「自宅でリラックスする格好」に変更するのです。
この着替えることを軽視し、仕事に入る時にもパジャマのままだったとすると、仕事に集中できない上、今度は仕事を終えてリラックスモードに戻るということもできないので、決して軽視してはいけないのです。
まとめ
冒頭にも述べましたが、私は在宅勤務歴10年目の在宅勤務のプロです。その前のフリーランスの時代から含めて10年以上の経験を元にした実践的なノウハウなので、ここで示したことの有効性は自分自身が一番実感しています。
中には少し堅苦しい内容も含まれていたかもしれません。もしもそう感じるならば、自分なりに緩くしてみるなどアレンジするといいと思います。
私は海外留学と就労の経験があるのですが、個人的には日本の会社は従業員に無理をさせる傾向があると思います。
その原因は非効率な業務システムであったり、無能な上司からの無駄な仕事であったり、無意味な人間関係がらみの風習だったりが多いように感じますが、在宅勤務によってこういった無駄を軽減できる可能性を感じています。
弊社だけでなく、取引先の企業様も在宅勤務となった事により、原則的に対面の打ち合わせがなくなりました。
以前でしたら日に2件の打ち合わせが入ってしまった場合、都内であったとしてもその2件でほぼ1日が終わってしまうということも珍しくありませんでしたが、今ではこれが2時間程度で終了できます。
今まで散々無理をさせられてきた方達は、この環境を利用して、これからはもっとプライベートを有意義に過ごせるようにしても良いと思います。
ですので、今回ここで示した解決策は自分自身により一層の努力を強いるものとして捉えるのではなく、仕事なんかは集中してさっさと終えて、あとはプライベートの時間を充実させるための策だと捉えていただければと思います。
この情報が疲れている誰かの役に立てば幸いです。:)